『ナイトスイム』
映画『ナイトスイム』(2024)を見に行った感想メモ(ネタバレあり)。
レイティングなし。ブラムハウス作品。
プール付き訳あり物件
『マリグナント-凶暴な悪夢』のジェームズ・ワン監督作品なら絶対見なきゃと思ったら、今回ジェームズ・ワンはプロデューサーで、監督は別の人だった。
あらすじは、病気療養中のメジャーリーガーの主人公一家が、プール付き一戸建て借家に引っ越して来るが、そこで徐々に怪異に見舞われ…という話。
ある意味怖い
序盤からヒヤヒヤする映像が続く。
それは霊的な存在による恐怖と言うよりも、実際に起こり得る事故を想起させるような状況に、本能的に危険を察知させられる恐怖だ。
夜遅くに子どもが一人でプールサイドを歩くなんて…とか、いやそんなところに思いっきり手突っ込んでいいの…!?とか。
危ないなぁとヒヤヒヤしながら見ていなければならない。そういう怖さがあった。
個人的に一番怖かったのは包丁を使うシーンなのだが、思わせぶりなカットと音で絶対何かあるぞ!と期待したが、何も起こらなかった。
何もなくて良かったねと言うべきか、期待させやがって!と突っ込むべきか…。
ただセリフに緊迫感を持たせるために包丁のアップと音を強調しただけかもしれない。
肝心のクリーチャー本体については、やや肩透かしな印象。
そこもうちょっと詳しく!というところで終わってしまった感がある。
こんなプールあり?
水中の映像は良かったと思う。結構な時間を水の中の映像に費やしていた。
映画のメインとなるプールは、長さが15mくらいで飛び込み台付き。
温泉のように地下から湧き出している水を使っており、ちょっと温かい。
そして入ると温泉のような効能もある。一般住宅でそんなプールあるのだろうか?
水道代はかからないし、ずっと使われてなかった割にきれいで、電気なんかの設備も使える状態なんて、多少いわく付きでも入居希望者が出るのはうなずける。
しかし怖いのがプールの構造で、手前は浅いが奥に行くに連れだんだん深くなるという。
奥に行けば大人でも足が届かないほど深い。
なんかヤな感じ…と思ったら、案の定の展開に!この映画、結構ベタかも。
広過ぎず狭過ぎないプールの大きさが良かった。
少し目を離したら誰かが溺れているのに気付かないかもなと思った。
日本でもナイトプールが流行っていたけど、水泳経験者から言わせると普通は屋外で夜の水場には近付かないのよね。
危ないのが分かっているから。
家族の物語
ホラー映画に登場する家族って、大抵は家族関係が破綻していたり歪な関係性だったりが多い印象。
が、今回の『ナイトスイム』の主人公一家は愛情溢れる家族だった。
今年見たホラー映画『TALK TO ME』は主人公が結構深刻な問題を抱えていて自宅より友人宅にいる時間が多かったり…。
『ヘレディタリー継承』のグラハム一家は元々は普通の家族だったかもしれないが、ばあちゃんの影響力がすご過ぎて狂っていき…。
『ミッドサマー』なんて主人公の家族は映画冒頭で全員死んでしまうし…。
『ナイトスイム』の長女もきっとティーンエイジャーの悩み満載のこじらせまくり女子の役柄か?と思ったら意外と素直。
家族で野球の応援に行くなんて良い子じゃない?
結局、この家族の抱える問題は主人公の病気の問題のみで、みんな協力的で円満な家庭なのだった。
もっと家族の仲を引き裂くようなプロットがあっても良かったな、なんて思うほどだった。
子どもが複数出てくると大抵、年下の子が酷い目に合うというのは“ホラー映画あるある”なのだろうか。
『TALK TO ME』ですっかりトラウマになってしまった。
可愛い子だとなおさら酷い目に合うんじゃと心配になる。
それにしても母は偉大だ。ハリウッド映画のお母さん達って頑張り過ぎじゃない?といつも思う。
今回の出演者は全員が初めて見る顔だったけど、長女役を演じた子が可愛かった。売れそう。
主演俳優は目のくぼみ形が独特で、通常時と憑かれた時で顔が変わるのが怖い。
あれはメイクのせいなのか、演技なのか。
結論
『マリグナント』のようなたたみかけるようなアクションの連続を期待したけど、それはなかった。
独特なプールの形状が舞台装置としては良かったと思うし、水の映像がきれいで印象的だった。
やはり溺れた後に水を吐かないのはあり得ないので、もしそんな奴がいたらもっと心配した方がいいということだ。
最後に結論。 アメリカ人もお祓いとかちゃんとした方がいいと思った。